青森県の六戸町に最先端の教育設備などを備えた木造3階建ての「六戸町立義務教育学校六戸学園」が4月1日に開校した。同町内にあった町立小学校3校と町立中学校2校の計5校を1校に統合・再編し、同県初となる小中一貫9年制の義務教育学校として新設した。通常27学級、特別支援16学級が設置されており、すべての普通教室で86インチの電子黒板を利用するなど、最新のICT教育を実践する全国的にも注目度の高い“木の学び舎”となっている。
「六戸学園」の校舎の延床面積は約1万5,000m2で、構造躯体に県産材などを原料にしたLVL(単板積層材)や集成材を使っている。LVLには、県産のカラマツとスギを2,012m3使用。集成材には、県産のカラマツとスギに県外産のヒノキとベイマツを用い、使用量は282m3となっている。LVLの加工は、同町内にあるファーストプライウッド(株)と青森プライウッド(株)が行った。

建物の構造は木造で、一部RC(鉄筋コンクリート)造としているが、一方向ラーメン構造にGIR接合を採用することで鉄筋が内部に隠れ、木の温もりが校舎全体で感じられる大空間・大スパンが特長のモデル建築物となっている。

校舎内には、学年集会などが開ける幅7.5mの大階段や、壁3面がスクリーンとなっているメディアルームがあり、体育館には700人が座ることのできる移動式の観覧席を設置している。
4月1日に「六戸学園」の開校記念式典、8日に入学式と始業式を行い、842人の児童・生徒が最先端の木造校舎で新生活のスタートを切った。
(2025年4月8日取材)
『林政ニュース』編集部
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