木青連全国大会を29年ぶりに北海道で開催 

北海道 業界団体

木青連全国大会を29年ぶりに北海道で開催 

日本木材青壮年団体連合会(木青連、東京都江東区)は、5月28日に北海道札幌市で第67回全国会員北海道大会を開催し、全国から約500名が参加した。木青連の全国大会が北海道で行われたのは29年ぶり。4月1日付けで今年度(2022年度)の会長に就任した高知県の川井博貴氏((有)川井木材代表取締役、36歳)が所信表明を行ったほか、昨年度(2021年度)に取り組んだ事業の成果が発表された。

第63代会長に川井博貴氏(高知県)が就任

川井氏が率いる川井木材は、高知県嶺北地域で素材生産業を営み、海外視察を行って高性能林業機械を導入するなど先進的な経営を行っている。川井氏は、高知県本山町の「土佐本山コンパクトフォレスト構想」の委員もつとめるなど地域のリーダーとして活躍している。

木青連会長の任期は1年(交代制)で、川井会長は63代目となる。

第63代木青連会長の川井博貴氏

新たに2つの委員会を立ち上げ、会員同士のつながりを“密”に

川井会長は、今年度のテーマに「『ともに』~同志と共に築く未来へ繋ぐ木青連の輪~」を掲げ、新たに委員会を2つ立ち上げた。

1つは、「サプライチェーンマネジメント推進委員会」。木青連には木材業者や素材生産業者、運送業者、機械メーカーなど様々な業種の会員が約800名在籍する。同委員会では、各地区の会員数や業種、特色などを“見える化”した上で、地区をまたいだ自発的な交流を行えるような仕掛けづくりをする。川井会長は、「会員同士のつながりを強めて顔の見えるサプライチェーンを構築していきたい」と話している。

もう1つは、「コラボレーション推進委員会」。異業種とのコラボレーション事業をより強化することを目的にしており、昨年度に実施した事業を参考にして連携の輪を広げていくことにしている。

トークセッションで事業報告、“異業種”とのつながりを強化

全国大会では「ボクらの特別な1年」をテーマにトークセッションを行い、昨年度実施した事業を検証した。

昨年度会長の松原輝和氏は、森林・木材利用にエンタメ要素を加えた「WOODウッド ENTERTAINMENTエンターテイメント」を掲げ、「Wood Driven 委員会」と「Forest Driven委員会」を設置した。

Wood Driven委員会の小友康広委員長は、「普段木材を使っていない他業界のリーダー的企業や、SDGs、CSR活動に積極的な企業にコンタクトをとり、異業種とのコラボへの足がかりをつくった」と説明。Forest Driven委員会の鵜川秀樹委員長は、長崎県の対馬で地元観光協会や旅行会社などと連携して森林空間を活用したツアーを実施し、「苗木の植林も行った」と報告した。また、自社でYou Tubeチャンネルを運営する広報戦略委員会の野地伸卓委員長は、「木青連の会報をPDFから動画に変更し、エンタメ要素を強めたコンテンツを作成した」と発表、今年度も新委員長が動画会報を継続することにしている。

木材活用コンクールは「流山市立おおぐろの森小学校」が受賞

全国大会に併せて、「第25回木材活用コンクール」と「第46回全国児童・生徒木工工作コンクール」の受賞作品が発表された。

平塚希さんの作品「浦島太郎」

「木材活用コンクール」の農林水産大臣賞(最優秀賞)は、国内最大規模の木造3階建て校舎を有する「流山市立おおぐろの森小学校」が受賞。 「全国児童・生徒木工工作コンクール」では、岩手県盛岡市立都南東小学校6年の平塚希さんの作品「浦島太郎」が文部科学大臣賞(同)に選ばれた。

(2022年5月28日取材)

(トップ画像=トークセッションに登壇した(左から)広報戦略委員会委員長の野地伸卓・野地木材(株)専務取締役、木育創造委員会委員長の古谷隆明・フルタニランバー(株)代表取締役、木材活用委員会委員長の野瀬正樹・(株)八興代表取締役社長、Wood Driven委員会委員長の小友康広・(株)小友木材店代表取締役、Forest Driven委員会委員長の鵜川秀樹・(株)熊井産業代表取締役社長)

『林政ニュース』編集部

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