「くまもと県産材SCM協同組合」が発足

熊本県内の製材・加工・流通業に関わる25の企業や団体、森林組合などが結集して「くまもと県産材SCM(サプライチェーンマネジメント)協同組合」を設立した。県産材製品の共同販売事業やストックヤード事業を行って、非住宅木造建築物などの新規マーケットを開拓し、外材からの切り替えなども促す。個々の製材工場等では対応が難しかった大型受注の獲得に業界一丸となって取り組む先駆的な試みになる。

業界関係者が大同団結し共同販売、在庫も確保して新規需要獲得へ

7月12日に熊本市内のホテルで創立総会を開催して、定款や規約、事業計画などを決め、理事長には鍬本行廣・(株)松島木材センター会長が就任した。

同組合は、県内外で営業活動を行い、受発注の窓口を一本化して、非住宅物件などの新規需要に対応する。受注後は、組合員に各種製品の生産・納入を斡旋し、共同販売事業を実施する。組合員からは販売数量に応じて一定の手数料を徴収し、同組合の活動費などに充てる。初年度(2022年度)は約1,400万円の手数料収入を見込んでいる。

3か年かけて情報システム整備、タイムリーな受発注目指す

共同販売事業を円滑に進めるため、県の補助事業を活用して、組合員の主要製品等に関する在庫・生産状況などをデジタル情報として把握できるシステムを開発する。システムに収集された情報は需要者などにも提供して、タイムリーな受発注につなげる。

また、木材市場等に主要製品を在庫するストックヤードを整備し、一般流通製品だけでなく、JAS機械等級区分製品などの供給力も高める。

情報システムの開発などは3か年をかけて完了させる計画。この間、製品の買取販売などの実証事業も行って課題を洗い出し、実用性を高めていくことにしている。

鍬本行廣理事長(発起人代表)の話「情報システムの開発を行い、商品を『見える化』して、設計士や工務店に安心感を与えながら木材需要の開拓を進める。人間のつながりがキーワードであり、組合員と需要者のつながりが大事になる」

(2022年7月12日取材)

(トップ画像=25の企業や団体、森林組合などが結集して「くまもとSCM協同組合」を設立した)

『林政ニュース』編集部

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