霧島酒造がJ-クレジットを使い再造林に協力、15年間で7万t購入へ

霧島酒造がJ-クレジットを使い再造林に協力、15年間で7万t購入へ

焼酎のトップメーカーとして知られる霧島酒造(株)(宮崎県都城市、江夏順行社長)は、都城森林組合(同、志々目道夫組合長)及び農林中央金庫(東京都千代田区、奥和登理事長)との間で9月20日に「都城地域の森林育成へのJ-クレジット活用に関する連携協定」を締結した。都城森林組合が創出する森林由来のJ-クレジットを同社が購入してカーボン・オフセットに利用することで森林の保全とカーボンニュートラルの実現を目指す。J-クレジットの売買は農林中央金庫が仲介し、今後15年間で7万t(二酸化炭素(CO2)換算)の取引をすることで3者が合意した(取引価格は非公表)。

協定書を手にする(左から)都城森林組合の志々目組合長、霧島酒造の江夏社長、農林中央金庫福岡支店の久古谷支店長(画像提供:霧島酒造)

同社は、大正時代の1916年に都城市で「川東江夏商店」として創業し、現在は「黒霧島」に代表される焼酎のほかクラフトビールの製造・販売やレストランの経営なども行っている。2010年には宮崎県の「企業の森林づくり事業」に参加し、都城市有林で植林をする森づくり活動なども行っているが、同県が再造林率日本一を目標にした「グリーン成長プロジェクト」*1*2を進めていることを踏まえ、J-クレジットの活用に乗り出すことにした。購入するJ-クレジットは、再造林活動によって創出されるものに限定しており、同県内の民間企業としては初めての取り組みになる。

9月20日の協定締結式で、同社の江夏社長は、「本格焼酎は地域の自然の恵みを結集してつくられている。J-クレジット制度を活用して森林資源の保全に努めていきたい」と抱負を語った。

(2024年9月20日取材)

(トップ画像=森林由来J-クレジットを活用する3者の連携イメージ、画像提供:霧島酒造)

『林政ニュース』編集部

1994年の創刊から早30年! 皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしてまいります。

この記事は有料記事(777文字)です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
詳しくは下記会員プランについてをご参照ください。