(後編)破竹の勢いで日本の山を動かすBPTグループ【遠藤日雄のルポ&対論】

(後編)破竹の勢いで日本の山を動かすBPTグループ【遠藤日雄のルポ&対論】

前編中編からつづく)木質バイオマス発電を手がけるバイオマスパワーテクノロジーズ(株)(三重県松阪市、北角強・代表取締役社長)などで構成しているBPTグループは、森林の管理・経営や燃焼灰の再利用などへと急速に事業を多角化させている。その根源には、北角社長の強力なリーダーシップがある。それは間違いないが、それだけではグループ全体にここまでの推進力は出てこないだろう──こう考えた遠藤日雄・NPO法人活木活木(いきいき)森ネットワーク理事長の脳裏に浮かんだのは、北角社長の「(BPTグループには)若くて優秀な技術者がいる」という言葉だった。確かに、発電所の運営全般を担っている取締役の西川弘純氏は弱冠34歳という若さだ。また、北角社長の口ぶりからは、西川氏以外にも有為な人材が存在していることが窺えた。そこで遠藤理事長は、西川氏と同世代でBPTグループを支えているキーパーソンからも話を聞くことにした。

「地域活性化企業人」として500haの荒廃林解消を目指す

遠藤理事長

BPTグループは、スギ・ヒノキ一辺倒ではなく多様な樹種を活かしたロングテール型の持続的林業を目指しているということだが、現場ではどのように進めているのか。

西川取締役

その件に関しては、バイオマスパワーテクノロジーズの林業事業部長である福井勧氏が最前線で取り組んでいる。福井氏は、グループ企業の(株)玉木材(奈良県五條市)でも部長をつとめているほか、三重県いなべ市の臨時職員としても活動している。

遠藤日雄(えんどう・くさお)

NPO法人活木活木(いきいき)森ネットワーク理事長 1949(昭和24)年7月4日、北海道函館市生まれ。 九州大学大学院農学研究科博士課程修了。農学博士(九州大学)。専門は森林政策学。 農林水産省森林総合研究所東北支所・経営研究室長、同森林総合研究所(筑波研究学園都市)経営組織研究室長、(独)森林総合研究所・林業経営/政策研究領域チーム長、鹿児島大学教授を経て現在に至る。 2006年3月から隔週刊『林政ニュース』(日本林業調査会(J-FIC)発行)で「遠藤日雄のルポ&対論」を一度も休まず連載中。 『「第3次ウッドショック」は何をもたらしたのか』(全国林業改良普及協会発行)、『木づかい新時代』(日本林業調査会(J-FIC)発行)など著書多数。

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