建築用材等の需要量が大幅減、13年連続増の国産材供給量は0.1%減に
2023年は、製材・合板などの建築用材等の需要量が対2022年比18.9%減の2,926万4,000m3へ約682万m3も減少したことで総需要量が縮小した。一方、パルプ・チップや燃料材などの非建築用材の需要量は同3.3%増の5,058万9,000m3に増加。とくに、木質バイオマス発電などに用いられる燃料材(木材チップや木質ペレットなど)の需要量は16.9%増の2,020万3,000m3に伸び、1960年代の「エネルギー革命」以降では初めて2,000万m3を超えた。
供給面では、国内生産量(国産材供給量)が同1,0%減の3,425万6,000m3に微減した。国内生産量は、2022年まで13年連続で増えていたが、ここで頭打ちとなった。また、外材の輸入量は同9.7%減の4,559万4,000m3へと大幅に減少し、相対的に国産材のシェアが高まった。
高度経済成長期に匹敵する木材自給率まで戻したが、目標達成は至難の業
木材自給率は、2002(平成14)年に過去最低の18.8%を記録したが、2022(令和2)年以降は4割台に戻している。2023年の42.9%という数値は、1972(昭和47)年の42.7%を凌ぐ高水準だ。ただし、1970年代の木材総需要量は1億m3を超えていた。当時は高度経済成長期で人口も増え、パイが膨らむ勢いがあった。
これに対し現在は、人口減少などにより右肩上がりのシナリオが描きにくい。その中で、2021(令和3...
『林政ニュース』編集部
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