エネルギー向けチップ量が9年連続増加、前年比4.0%増

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エネルギー向けチップ量が9年連続増加、前年比4.0%増

木質バイオマス発電所などのエネルギー用に使われた木材チップ量が9年連続で増加した。農林水産省が8月28日に公表した「木質バイオマスエネルギー利用動向調査」の最新結果によると、昨年(2023年)のエネルギー向け木材チップ利用量は約1,150万tで前年(2022年)を約44万t(対前年比+4.0%)上回った。全国各地で木質バイオマス発電所の新設や稼働が続いており、発電燃料となる木材チップへの引き合いが強くなっている。

木材チップを由来別にみると、FIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)の優遇価格(32円/kWh)が適用されている「間伐材・林地残材等」が約41万t増(+9.0%)の約493万tに伸び、前年に続いて最も利用量が多かった。2番目に利用量の多い「建設資材廃-0.7%)の約391万tに減少。また、「製材等残材」は前年並み(+0.2%)の約173万tにとどまった。一方、「輸入チップ・輸入丸太を用いて国内で製造」は、約11万t増(+25.8%)の約54万tに増加し、間伐由来と輸入もののチップがシェアを高める構図となっている。

「木質バイオマスエネルギー利用動向調査」は、FITを利用した木質バイオマス発電所の建設が目立つようになった2015年から行われている*1。当初は建設廃材や製材残材などを原料にしたチップの利用量が多かったが、2021年からは間伐由来チップの利用量がトップを維持している*2

(2024年8月28日取材)

『林政ニュース』編集部

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