林野庁は、昨年(2015年)1年間にエネルギー利用された木材チップの量が約719万t(絶乾t、速報値)だったと8月24日に発表した。今年(2016年)から始めた「木質バイオマスエネルギー利用動向調査」の一環として初めて明らかにした。
同調査が対象としたのは、木質バイオマス発電所や熱利用施設などを運営している全国の1,362事業所。このうち1,294事業所から回答があった(回答率95%)。
集計結果はトップ画像のとおり。由来別で多かったのは、建設資材廃棄物を原料としたチップ(約431万t)で、全体の約6割を占めた。次いで、製材等残材からつくられたチップが約152万t、間伐材・林地残材等を使ったチップが約123万tだった。再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)では、発電燃料に間伐材等を使った場合の買取価格をkWh当たり32円(2,000kW未満の場合は40円)と最も高く設定しているが、現状は買取価格が13円に抑えられている建廃由来チップの利用が進んでいる。
今回の調査では、間伐材・林地残材等を原料としたチップの都道府県別利用量や前年(2014年)実績などのデータも公表された。それによると、2014年の間伐材等由来チップの利用量は約73万tで、2015年にかけて約50万t増加したことになる。2015年時点で利用量が最も多い都道府県は宮崎県の18万t(2014年比472.2%増)、第2位は岐阜県(約11万t、同1846.9%)、第3位は島根県(約9万t、同136.4%)で、いずれもバイオマス発電所が相次いで本格稼働に入っている。
なお、「木質バイオマスエネルギー利用動向調査」では、チップを含む木質バイオマス利用量の...
『林政ニュース』編集部
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