国有林野事業の2021度事業は主伐1%増など計画、コロナ禍前を睨むが「情勢に柔軟に対応」

予算・事業 国有林

林野庁は、国有林野事業に関する今年度(2021年度)の事業計画を4月28日に発表した。主伐及び間伐による収穫量はほぼ前年度並みを見込んだが、新型コロナウイルス問題など先の読めない状況が続いており、「情勢変化に柔軟に対応しながら取り組んでいく」(国有林野部)ことにしている。

林野庁が示した国有林の今年度主要事業量は、のとおり。収穫量は、主伐が対前年度比1%増の716万3,000m3、間伐が同2%増の706万4,000m3。販売量は、立木販売が同9%増の199万1,000m3、製品(丸太)販売が同4%増の289万1,000m3とした。前年度はコロナ禍による需要縮小に対応するため、立木販売の搬出期間延長など国有林材の供給調整措置を導入したが*1、今年度はできるだけコロナ前の通常ペースに戻していきたい考えだ。

近年の国有林野事業では、民有林と同様に主伐・再造林を推進して人工林の若返りを図る方針をとっている。だが、前年度は主伐が抑制されたため、今年度の新植面積は同14%減の5万4,000haにとどまる。間伐面積は対象林分の高齢級シフトなどで同21%減の11万haを予定。林道の新設(開設延長)についても同15%減の122kmと計画量を抑えたが、大量輸送や災害時の対応力強化に向けた改良を進めて“強靭化”を図ることにしている*3。

治山事業は、新たに「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」が予算措置されたことなどを踏まえ、事業費を同8%増の574億円に伸ばすことを見込んだ。

(2024年4月28日取材)

『林政ニュース』編集部

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