2025年度予算要求はグリーン成長と花粉対策の2本立て 新規目玉に「集約化モデル地域実証事業」

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2025年度予算要求はグリーン成長と花粉対策の2本立て 新規目玉に「集約化モデル地域実証事業」

林野庁が8月末に財務省に提出する来年度(2025年度)予算概算要求の全体像が明らかになった。非公共事業の既存施策を「森林・林業・木材産業グリーン成長総合対策」と「花粉症解決に向けた総合対策」の2つに括り直し、新規要求事項の目玉として「森林の集約化モデル地域実証事業」を盛り込む。公共事業については、「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」に関する経費などを事項要求とし、今年度(2024年度)補正予算も睨んで所要額の確保を目指す。

林野庁関係の来年度予算要求は、のようなラインナップとなる。

昨年(2023年)8月末の2024年度予算要求では、「花粉削減・グリーン成長総合対策」を柱に立てていたが*1、今回は花粉症対策関係予算を別立てにして当初予算に正式に位置づける。

新規目玉の「森林の集約化モデル地域実証事業」では、森林経営管理法の改正を念頭に、地域関係者の情報共有や合意形成、協議会の運営などを支援する仕組みを構築することにしている。

波乱含みの自民党総裁選、岸田首相肝いりの花粉対策はどうなるか?

来年度予算要求に向けた事務方の作業が粛々と進む中で、波乱含みとなっているのが自民党総裁選の行方だ。岸田首相が8月14日に総裁選への不出馬を表明して以降、候補者が乱立する混戦模様となっており、次のトップリーダーがどのような独自政策を打ち出すかが注目されている。

岸田首相は、昨年4月にスギ花粉削減を政権浮揚のテーマに掲げ、関係閣僚会議を新設して対策強化を主導し、林野予算も“花粉”中心にシフトしてきた*2*3*4。林野関係者の間では、「誰が次の総裁になっても大きな流れは変わらないだろう」との見方がある一方で、「農林水産業や地方に理解のある人になってもらわないと困る」との声も聞かれる。9月の自民党総裁選に続いて、11月頃には衆院選が行われる公算も強まっており、政局から目の離せない状況になっている。

(2024年8月21日取材)

(トップ画像=8月21日に開かれた自民党の農林関係合同会合)

『林政ニュース』編集部

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