森林環境税の課税に向け譲与税の活用促進を──2023年度税制改正大綱

全国 税制

森林環境税の課税に向け譲与税の活用促進を──2023年度税制改正大綱

自民・公明両党は、昨年(2022年)12月16日に来年度(2023年度)の税制改正大綱を決定した。森林環境税と森林環境譲与税については、譲与税の活用を促進して国民の理解を深め、2024(令和6)年度からの課税開始に備えるべきとの考え方を示した。焦点となっている譲与基準の見直しに関しては、24年度の税制改正に併せて行われる可能性が出ている。

2024年度に譲与基準見直し、森林の多い市町村への配分増を

与党税制改正大綱では、「令和5年度税制改正の基本的な考え方等」の中で森林環境税と森林環境譲与税を取り上げ、「各地域における取組みの進展状況や地方公共団体の意見を考慮しつつ、森林整備をはじめとする必要な施策の推進につながる方策を検討する」と明記した(トップ画像参照)。

譲与基準に関する直接的な言及はないが、「納税者や都市部の自治体も納得ができるように検討を進めるという意味」(関係者)と解釈されている。

現行の譲与基準では、人口の多い都市部の市町村への配分額が多くなる傾向があり、森林の多い山村部の市町村などから見直しを求める声が強まっている。自民党のプロジェクトチームは昨年5月に、「譲与基準の在り方について検討すること」と提言しており、農林水産省も来年度の税制改正にあたって、「譲与税の譲与基準に係る所要の見直しの検討」を行うよう要望していた。 譲与税の配分が始まった当初は基金に積み立てて支出を先送りする市町村が目立ったが、年を追うごとに森林整備費などに充当する市町村が増えてきている。譲与税の有効活用が進むとともに、譲与基準に関する検討の結論も近づいてくる状況となっている。

(2022年12月16日取材)

『林政ニュース』編集部

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