ドバイやスロベニアなども開拓、企業連携型輸出の成果を報告

ドバイやスロベニアなども開拓、企業連携型輸出の成果を報告

日本木材輸出振興協会は、国内企業が連携して木材製品の輸出拡大を目指すモデル事業の成果報告会を3月24日に東京都内の会議室とオンラインを併用して開催し、約50名が参加した。同事業は、昨年度(2022年度)の林野庁補助事業を活用して実施したもので、海外市場の開拓に挑んだ7グループの代表が取り組みの概要などを発表した。

IWS(株)(北海道札幌市)は、木材に関するマーケットや需要が実質的に「ない」中東・ドバイの国際見本市に日本産木材のカット見本やスギ・ヒノキの茶室、テーブル天板などを出展し、80社以上と商談をしたほか、隣国のサウジアラビアも訪れて営業活動を行うなど、未開拓の新規市場に参入する端緒をつくった。

また、都築木材(株)(長野県伊那市)は、スロベニアで着色デザインした焼杉板を貼った和風小屋を展示。焼杉プロモーションビデオも制作するなど、スギに馴染みのない東ヨーロッパで販路の開拓に取り組んだ。

このほか、台湾徳島木材輸出グループは台北市内にモデル空間となる「AWA ギャラリー」を開設、(株)戸田工務店(愛知県新城市)は国産材を活かしたタイニーハウスキットを米国オレゴン州などでPRし、愛媛県産材製品市場開拓協議会は盆栽の輸出ネットワークを利用してオーストリアで組み立て式和室を提案した。また、東盛商事(株)(千葉県松戸市)はヒノキの香りを活かした「まくら」や「サシェ(香り袋)」、ヒノキ蒸し器などを試作して中国の展示会に出展、(株)五感(東京都江東区)はスギ大径木を活用した剣道場床を開発して米国のシカゴやラスベガスでニーズ調査を実施するなど、それぞれ独自色のある取り組みを行った。

(2023年3月24日取材)

(トップ画像=台湾の台北市に開設した「AWA ギャラリー」、画像提供:台湾徳島木材輸出グループ  )

『林政ニュース』編集部

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