北海道の北部に位置する人口約4,000人の美深町に、町有林と道有林から産出された木材を使った木造校舎が完成した。地域の関係者が連携し、SGEC(緑の循環認証会議)の森林認証材を積極的に活用した先駆的プロジェクトとして注目されている。
新築されたのは、美深町立仁宇小中学校の校舎。木造平屋建てで、建築面積は約820m2。木材使用量は約287m3で、内訳は、町有林産のトドマツが約109m3、道有林産のカラマツが約85m3、同じく道有林産のトドマツが約15m3、その他合法木材が約79m3。認証材の使用率は72.65%で、SGECの規定に基づくプロジェクトCoC認証を取得し、3月24日に認証書授与式が行われた。建物全体でプロジェクトCoC認証を取得した事例としては、これまでで最大規模となる。
木造校舎の建築過程では、同校の児童・生徒らが伐採現場や工務店、木材加工工場の見学などを通じて木育体験学習を行った。また、道有林材の供給にあたっては、道、素材生産業者、木材加工業者、建築会社の4者が連携して協定販売を行うなど、多様な関係者が木造校舎を中核にしてネットワークを広げる機会ともなった。
(トップ画像=地元の木材を活かした明るい教室)
『林政ニュース』編集部
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