6月1・2日に青森県で開催された「日本伐木チャンピオンシップ(JLC)」*1の運営方法などについて見直しを求める請願書が有志によってまとめられ、大会事務局の全国森林組合連合会に提出された。2014年5月に第1回が行われたJLC*2は、全国から参加する選手がチェーンソーを安全に操作する技術を競い、林業の魅力を発信するイベントとして定着してきている。だが、大会規模が拡大してきたことで運営面での負担が増しており、関係者の間では持ち回り開催などの案が検討されている。
とくに今回(第5回)は、出場枠を絞るために予選会で抽選制を導入したが、熟練者等を抽選免除にしたことが新規参入者の排除につながるとの懸念が生じていた。
運営方法の見直しを呼びかけたのは、熊本県の林業従事者で九州全域を対象にした伐木競技会(キュウシュウロガーズ)を運営している原田理氏。オンライン署名サイトを使って請願書への賛同を募ったところ、6月末までに当初の目標を上回る253名から署名が得られた。
請願書では、①予選会における抽選制度の廃止(応募者全員の予選会出場)、②全国各地の参加希望者が出来る限り参加しやすい場所(関東地方など)や各地地域持ち回りの開催、③審判員等の新規養成機会の拡大及び資質向上のためのフォローアップ機会の創設──の3点を求めており、全森連など関係者と「建設的な議論」(原田氏)を行っていく方針。全森連も「前向きに検討していく」としている。
見直しにあたっての最大のハードルは、費用負担の問題になるとみられる。スポンサー企業を公平性の観点から拡大し、森林環境譲与税など公的な財源を活用することが選択肢になってきそうだ。
(2024年6月30日取材)
(トップ画像=盛況の陰で運営面の負担は増している)
『林政ニュース』編集部
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