木材自給率が2年連続低下、2022年は40.7% 国産材13年連続増加も、外材輸入が上回る

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木材自給率が2年連続低下、2022年は40.7% 国産材13年連続増加も、外材輸入が上回る

右肩上がりで推移してきた木材自給率に頭打ち感が強まっている。林野庁が9月29日に公表した最新の「令和4(2022)年木材需給表」によると、同年の木材自給率は40.7%で前年(2021年)より0.4ポイント低下し、2年連続でダウンした。

同年の木材総需要量は対前年比3.6%増の8,509万4,000m3と2年連続で増加し、国内生産量(国産材供給量)も同2.7%増の3,461万7,000m3と13年連続で増えた。だが、外材の輸入量が同4.3%増の5,047万7,000m3と国産材供給量を上回ったため、木材自給率は低下した。

木材自給率は、2002(平成14)年に過去最低の18.8%にまで落ち込んだが、2011(平成23)年から上昇基調に入り、2020(令和2)年には41.8%に達し、1972(昭和47)年の42.7%以来半世紀ぶりに4割台に回復した。翌21(令和3)年の自給率は41.1%に低下したが、22年も含めて4割台は維持している。

パイが縮む建築用材で国産材シェア上昇も燃料材需要は掴めず

2022年の木材需給の内訳をみると、建築用材の需要量は対前年比1.1%減の3,608万3,000m3に縮小したのに対し、非建築用材は同7.3%増の4,901万1,000m3に増加した。とくに、木質バイオマス発電などに用いられる燃料材(木材チップや木質ペレットなど)の需要量が1,739万m3に大きく伸びた。

建築用材の自給率は前年より1.5ポイント増の49.5%に上昇したが、非建築用材の自給率は同1.3ポイント減の34.2%に下落した。国産材は、パイ(市場規模)が縮んでいる建築用材でシェアを高めているものの、非建築用材では伸びる需要を十分に掴めておらず、“主戦場”といえる燃料材の主たる供給ソースは輸入ペレットという状況になっている。

これまで国産材の需要拡大を図るメインターゲットには建築用材が位置づけられてきたが、非建築用材の国産材化対策を強化することも重要課題になってきている。

(2023年9月29日取材)

『林政ニュース』編集部

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