産官学22機関による「SIPリグニン」が世界をリードする
樹木は、セルロース、ヘミセルロース、リグニンという3つの主要な化合物からできている(図参照)――林業関係者にとっては基礎中の基礎知識であり、この中でリグニンが「厄介者」とみなされていることもまた“常識”だ。
セルロースとヘミセルロースは、紙パルプやキシリトールなどの原料として早くから利用が進み、最近はセルロースナノファイバーという次世代素材も開発されている。
これに対し、リグニンについては、燃焼処理してエネルギー利用するのがせいぜい。これまで様々な研究開発が重ねられてきたものの、画期的な新素材や新製品を生み出すには至っていない。
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だが、こうした現状を一変させる可能性を秘めた研究開発プロジェクトが動き出している。実施主体となっているのは、産官学22機関の研究コンソーシアム「地域リグニン資源システム共同研究機関」、別名「SIPリグニン」と呼ばれる。SIPリグニンとは、「戦略的イノベーション創造プログラム」の略称で、内閣府の総合科学技術・イノベーション会議が司令塔となり、世...
『林政ニュース』編集部
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