西会津町で「桐と桐文化の恵みに感謝する植樹祭」を開催、本筋を貫く

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西会津町で「桐と桐文化の恵みに感謝する植樹祭」を開催、本筋を貫く

福島県で「会津桐」の再興に取り組んでいる会津里山森林資源育成研究会(喜多方市、星比呂志会長)は、11月12日に西会津町の斎藤桐材店西会津社有林で、「桐と桐文化の恵みに感謝する植樹祭」を開催し、約70名が参加した。

桐文化を次代につなげることを目的に約70名で植樹を行った(画像提供:会津里山森林資源育成研究会)

早生樹の1つである桐は、その成長スピードを活かして、バイオマス発電の燃料などに用いる試みが広がってきている。だが、同研究会は、桐本来の良さを引き出すことに注力しており、適切な乾燥とアク抜きによって得られる桐の板材の審美性や調湿・脱臭効果などを広く伝えていくことに取り組んでいる。

「植樹祭」には、薄友喜・西会津町長、星源昭・県会津農林事務所長、清野邦夫・西会津町森林組合長らが来賓として駆けつけ、茶道家元をはじめとする文化人や森林・林業関係者らとともに、県立会津農林高校の生徒が育てた12本の苗木(「桐玉植苗(きりたまうえなえ)」)を植え付けた。

その後、伝統工芸の継承・発展に取り組んでいるザ・クリエイション・オブ・ジャパン(東京都中央区、林田英樹代表理事)の岩関禎子専務理事兼事務局長と坂井基樹常務理事が記念講演を行って桐材を有効利用する現代的な意義などについて解説。また、みなかみ町最適土地利用協議会と会津農林高校が桐の育成などに関する特別報告を行った。

「植樹祭」に続いて「感謝祭」を開き、参加者が楽器演奏や歌唱を披露して「ヤマ」に感謝するとともに、西会津町産の「ミネラル野菜」をふんだんに用いた「芋汁」や「塩ちゃんこ」などを味わい、和気藹々の雰囲気の中で交流を深めた。

なお、「植樹祭」と「感謝祭」の会場となった斎藤桐材店西会津社有林は、文化庁の「ふるさと文化財の森」への指定を申請しており、11月27日には現地審査を受けることになっている。

(2023年11月12日取材)

(トップ画像=11月12日に開催された「桐と桐文化の恵みに感謝する植樹祭」と「感謝祭」には文化人や林業関係者などが参加した、画像提供:会津里山森林資源育成研究会)

『林政ニュース』編集部

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