京都府内の素材生産業者らが3月に結成した「府木材生産業者等連絡協議会」(京都市、芦田竜一会長)は、5月19日に京都市内で初の通常総会を開き、今年度(2023年度)の事業計画などを決めた。会員を対象に行ったアンケート調査の結果も報告され、同協議会に対しては、行政への要望活動や新技術導入の研修、就業改善セミナーの開催などを望む声が寄せられた。
併せて、大手電子機器メーカーのオムロン(株)(京都市)グループのオムロン ソーシアルソリューションズ(株)(東京都港区)から広葉樹活用に関する協力の呼びかけがあった。同社では、社内のビジネスコンペを経て、2022年から林業の課題解決に向けたプロジェクトがスタートしており、とくに広葉樹に関するサプライチェーンマネジメントの構築を目指している。この取り組みには、広葉樹を活用している家具メーカーや建材業者などが参画しており、同協議会には川上側のプレーヤーとして加わることを求めた。
新たな取り組みの発起人である宮田俊太朗氏は、同志社大学を卒業して同社に入社。信号機器の営業に従事する一方、プライベートで防災士のカリキュラムを受講する中で林業問題に関心を持ち、自ら業務を手がけることを立案して、倍率の高い社内コンペを通過した。今後に向けて、宮田氏は、「製材・乾燥に関する課題を乗り越えて新しい取り組みを軌道に乗せたい」と話している。
(2023年5月19日取材)
『林政ニュース』編集部
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