大和ハウス工業(株)(大阪府大阪市、大友浩嗣社長)は、埼玉県越谷市の越谷レイクタウン内に木造賃貸住宅「MOKURIE(モクリエ)レイクタウン」を建設した(8月31日に竣工)。JR武蔵野線の越谷レイクタウン駅から徒歩10分とアクセスのよい新興住宅地に、地域材を活用したモダンな共同住宅が誕生した。

大和ハウス工業が新ブランド「MOKURIE」を展開
「MOKURIEレイクタウン」は、木造2階建てで、敷地面積は874.05m2、総戸数は10戸。1戸の専有面積は80m2台を中心に74~84m2となっており、賃料は月24万円前後、共益費は月7,000円で設定している。入居は9月26日から始まる予定。
各戸にプライベートガーデンを設けたほか、敷地中央には愛犬のリードを外して住民が自由に交流できるスペースをつくった。越谷レイクタウンは、調節池を囲むように遊歩道が整備されており、犬や猫を連れて歩く住民が多い。こうした土地柄に配慮し、表札に愛犬の写真や名前を表示できるようにするなど、ペットと共生できるデザインとした。

ルーバーに秩父産材を採用、張り替え需要の地域還元も目指す
大和ハウス工業は、2024年12月に国(農林水産省)との間で建築物木材利用促進協定を締結し(第741号参照)、2025年からは木造化・木質化推進プロジェクト「Future with Wood」をスタートさせている。「MOKURIEレイクタウン」は、このプロジェクトを住宅分野で具体化する第1弾となり、構造材には国産材を126.68m2を使用した(梁はベイマツ集成材)。
また、木製ルーバーには、秩父広域森林組合(秩父市)が伐出したスギ間伐材を採用し、120mm間隔で配置した。サイズは45×60mm角で、使用量は1.5m3。加工は二宮木材(株)(栃木県那須塩原市)が行い、約15年周期で張り替える設計になっている。

同社の上席執行役員で集合住宅事業本部長の竹林桂太郎氏は、「木製ルーバーの張り替えのたびに新しい間伐材が使われる。建てたら終わりではなく、メンテナンスや更新の際にも地域材を活用して山にお金が還る仕組みをつくりたい」と話している。
同社を創業した石橋信夫氏は、奈良県川上村で生まれ、営林署や木材会社に勤めた経歴を有する。こうしたルーツを踏まえ、竹林氏は、「スーパーでは“顔の見える”野菜が販売されているが、住宅ではどこの木がどこから来たのかが話題になりにくい。今後は入居者を秩父の森林に案内するツアーなども行ってつながりを構築したい」と意欲をみせている。
なお、同社は、「MOKURIE」を新たなブランドとして展開する方針で、東京都、石川県、宮城県などで次の物件を計画している。
(2026年9月3日取材)
(トップ画像=住民がペットとともに自由に交流できるスペース)
『林政ニュース』編集部
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