12社が連携して共同受注・共同出荷、大手ハウスメーカーとの契約も
北関東製材協議会は、栃木県の二宮木材(株)、(株)栃毛木材工業、(有)宮製材所、(株)渡辺製材所、(有)マルハチ、(株)ヤギサワと、茨城県の(株)野上製材所、(有)森嶋林業、(株)鉾田製材所、(有)皆川製材所、丸川木材(株)、(有)大塚林業の12社で構成し、千葉県のチップ企業・カントーコーポレーション(株)が事務局をつとめている。
会員企業は、①スギ柱、②スギ役物、③ヒノキ土台、④不燃処理材など、それぞれ得意分野を持っている。以前は、個々に営業をしていたため、受注機会を逸することがあったが、受注窓口を一本化したことで、ユーザーからの要望にスピーディーかつ柔軟に対応できるようになった。

すでに、①柾目の造作材を会員4社で納材、②ホームセンターへ森林認証材(SGEC)を会員2社で供給、③2×4コンポーネント工場へスギ・ヒノキ2×4材を会員3社で出荷──などの事業が軌道に乗っており、主に首都圏のユーザー向けに、毎月トラックを3~4台走らせている。
今後も大手ハウスメーカーが求める国産ムク製品をアッセンブルして共同出荷することや、台湾など海外への製品輸出を増やすことなどを計画しており、さらに事業量が伸びていきそうだ。
若手経営者が未来志向で「新たな商流、市場への対応」目指す
北関東製材協議会の会長をつとめる二ノ宮泰爾氏(二宮木材(株)取締役専務)は、「今後5年、10年先を見据えた取り組みがしたいので、若い経営者を中心に組織している」と話す。同業者の集まりは、ときに利害が衝突して“空中分解”することもあるが、同協議会は「新たな商流、市場への対応で連携する」ことを目的に掲げる未来志向の組織とすることで、スムーズな運営が実現できているという。

同協議会のウェブサイトでは、会員企業が取り扱っている柱、羽柄材、平角、内装材、造作材、JAS機械等級製材など様々な製品が紹介されている。これをベースにして、基本的に事務局が注文をとりまとめ、会員企業とともに共同出荷する体制をとっている。同協議会内の情報共有などを円滑化するため、主にスマホアプリのLINEを活用しており、得意品目ごとのグループをつくることで商談が進めやすくなっている。
商談がまとまった後の金銭面のやりとりは会員企業とユーザーが直接行っており、事務局の販売手数料は2%にとどめている。また、事務局が運送の手配や合積みの調整、品質管理のサポートなどを行うことで、会員企業全体のレベルアップを図っている。
二ノ宮会長は、「1社単位では量的な確保が難しい注文にも対応できるようになり、取引先が広がってきた」と手応えを口にしており、「会員企業の結束力があればク材でできないものはない。今後は一般社団法人化を目指したい」と意欲を語っている。
(2025年2月13日取材)
(トップ画像=北関東製材協議会のメンバー)

『林政ニュース』編集部
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