ワンストップサービスに磨きをかける100年企業・平方木材【突撃レポート】

5月14日に全国木材組合連合会(全木連)の会長に就任した平方宏氏*1が率いる平方木材(株)(群馬県前橋市)は、創業100年を超える老舗企業だ。プレカット事業を基軸に、キッチンや浴室など住宅に必要な設備資材を供給しており、中大規模木造建築物の一部施工や県産スギ材を使った独自製品の開発・普及にも乗り出している。

プレカット加工から住宅資材の販売、申請業務代行も手がける

平方木材は、「木の建物づくりに関する要望にワンストップで応える会社」を掲げ、プレカット加工、住宅資材の販売、物流管理、設計施工、住宅瑕疵担保責任保険の代理店としての保険業などを幅広く手がけ、各種申請業務の代行や構造計算も請け負っている。

社員は88名。年間売上高は約53億円。売上構成は、住宅の資材販売などが約55%、プレカット加工が約35%で、残りの約10%は卸売りなど。プレカット加工の物件内訳は、約9割が住宅、約1割が非住宅となっている。

同社は、非住宅の中大規模木造建築関連事業に2014年に進出し、これまでに幼稚園や教育施設、道の駅、工場・倉庫など約80件をこなしてきた。

リニューアルした本社事務所

昨年(2015年)には、創業125年を記念して、本社事務所をリニューアルした。木造2階建て、延床面積約1,000m2の真新しい建物は、同社の技術力や製品群などを披露するショールームを兼ねており、非住宅のモデル物件と言えるものになっている。とくに、新本社事務所の内装や床材、家具、外構には、県産スギ材の赤身(心材部)を活かして独自開発した圧密木材「ばつぐん」をふんだんに使用し“個性”を放っている。

本社事務所の内装などには独自製品の「ばつぐん」をふんだんに使った

製品・倉庫など充実、高い対応力で「1棟まるごと引き受ける」

ワンストップサービスを標榜する平方木材の最大のウリは、対応力の高さだ。本社の周辺に複数の工場・倉庫があり、多種多様な在庫を揃え、調達・施工などは県内外の事業者と連携して顧客の要望に応えている。

平方木材の拠点はJR両毛線前橋大島駅から徒歩約10分のところにある

また、オリジナル製品の「ばつぐん」をはじめ、不燃・準不燃材やCLT、OSBとLVLLの複合部材など豊富なラインナップを揃え、金物接合などの木構造技術も有している。社内には、1級建築士や1級建築施工管理技士などが在籍している。

同社が高い対応力を培ってきた背景には、いたずらに取引件数を追うのではなく、住宅1棟当たりに納入する資材等の比率を高めて顧客単価を上げるという経営ポリシーがある。

同社の主たる商圏は、地元の群馬県と、隣接する埼玉・栃木県などの一部エリア。大消費地である首都圏と比べて、絶対的な需要量には限りがある。であるからこそ、プレカット加工だけではなく、住宅設備や施工なども一括で受注するスタイルを確立してきた。

平方社長は、「1棟まるごと任せてもらえれば、人口減少時代でも売り上げを伸ばしていける」と明確に言う。

ニーズに合わせて業容を変え事業拡大、次世代への布石も打つ

平方木材は、時代のニーズに合わせて業容を変化させてきた。

創業は、明治時代の1900年。発足時は、木材を仕上げ加工して、大工などに販売していた。

昭和に入って、1963年に前橋市の木工団地に拠点を移し、製材工場を設けて加工規模を拡大。続いて19700年には、前橋市内に開設された日栄住宅資材(株)(現・ナイス(株))に営業所を設け、問屋業に進出した。流通業務を担うようになって、取引先が群馬県だけでなく埼玉・栃木・新潟県へと広がり、各地から集めた製品を販売して売り上げを大きく伸ばした。

そして、平方氏が社長に就任した翌年の1993年、プレカット加工業に乗り出した。「あのまま従来の事業を続けていたらジリ貧になっていただろう」(平方社長)と振り返るほどの決断であり、転機における英断だった。

新たに導入した合板加工機ロボット

平方社長は、今後の経営方針について、「適時適切な設備投資をしていく」と話しており、直近では合板加工機ロボットを導入し、省人化への布石を打った。また、平方社長の長男である貞之氏が専務取締役に就いており、次代の経営基盤も整ってきている。

「天馬空を行く」ように迷うことなく需要喚起などに取り組む

平方社長は、全木連の会長に就任した際の記者会見で、今年(2026年)が十干十二支の「丙午」(60年に一度)にあたることに触れ、「天馬空を行く」との言葉を口にし、「思い切って行動し、迷わずに事業を推進していく」と抱負を語った。

平方宏・平方木材社長(兼全国木材組合連合会会長)

全木連の会長となってから約3か月が過ぎ、改めて所感を聞くと、「新たな需要喚起、人材確保・育成などに積極的に取り組んでいく」と意気込みをみせた。とくに需要喚起対策では、「行政機関に木材や木造振興の施策展開を働きかけるとともに、企業や事業体が連携した取り組みを強化していきたい」と語調を強めた。

全国団体のトップとして100年企業を経営する平方社長の路線に、一切の迷いはみられない。

(2026年6月29日取材)

(トップ画像=平方木材の工場の内部)

『林政ニュース』編集部

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