林野庁は、森林・林業・木材産業に関する初のKPI(成果指標)を設定した。6月頃の閣議決定を予定している新しい森林・林業基本計画に盛り込み、林政審議会が進捗状況を検証する仕組みを整える*1。
KPIは「Key Performance Indicator(重要業績評価指標)」の略で、ビジネスの最終目標達成に向けたプロセスを数値で測定する手法。民間企業が目標売上高を設定して受注件数や価格等を定期的にチェックする取り組みなどが広がっており、行政分野でも施策改善に活用するケースが出てきている。農林水産省は、昨年(2025年)4月に策定した食料・農業・農村基本計画でKPIを初めて本格的に導入した。
林野庁が設定したKPIは約40項目に及んでおり、5年後の2030年における目標値を示した。
主なKPIとして、川上関係では、「民有林の効率的施業森林区域等の面積」を現状の140万haから2030年には400万haに、「人工造林面積」を3.5万haから4.5万haに、「花粉の少ないスギ苗木の生産割合」を6割から8割に、「森林の集積・集約化をした面積」を160万haから210万haに増やす。災害防止につながる国土保全関係では、「最も危険度の高い山地災害危険地区における治山対策完了率」を54%から64%に引き上げる。また、里山林の整備を進めるため、「国産広葉樹の製材・合板利用量」を11万m3から13万m3に増やす。
川下関係では、「製材・合板工場等の国産の原木入荷量」を年間1,600万m3から同2,100万m3に、「製品1m3当たりの付加価値額」をm3当たり1万2,000円から1万4,000円に、「製材・合板の輸出量」を45万m3から169万m3に増やす。
今後、設定したKPIを有効に活用していくためには、多岐にわたる項目の進捗状況を効率的にわかりやすくチェックする体制づくりが必要になる。また、目標達成の成果を現場レベルで実感できるようにして、全体的なモチベーションアップにつなげることも課題になる。

(2026年4月17日取材)
『林政ニュース』編集部
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