愛知県の東三河県庁(豊橋市)は、庁舎のエントランス(玄関部分)に「木のゲート『いっぽん門(いっぽんもん)』」を新設した。同庁は、東三河地域振興のために2012年に創設され、エリアの地方機関を束ねている。
「いっぽん門」は、「東三河の森と技を繋ぐ木のゲート」というコンセプトで建てられた。強風が吹く東三河地域で古くから家屋や寺社仏閣の建築に使用されてきた長尺材「いっぽんもん」を現代風にアレンジし、最新の3D技術で加工した。
使用した木材はすべて東三河産で、柱と梁部分にはスギ、網目部分にはヒノキを用いた。設計・施工は(株)アーティストリー(愛知県春日井市)、木材加工は同社と林建設(株)(豊橋市)が担当し、設計監修は一級建築士事務所建築クロノ(同)が行った。材料の調達にあたっては、昭典木材(株)(新城市)と西垣林業(株)(奈良県桜井市)のほか、愛知県立田口高校(設楽町)が協力し、(株)博展(東京都中央区)が企画・総合監理を担った。

「いっぽん門」の新設は、2024年度から3か年計画で推進している「東三河森林ルネッサンスプロジェクト」の一環で、エントランスには木質体験ショールームも来年(2026年)1月23日(金)まで設ける。
39haの演習林と帯鋸製材機で林業・製材を学ぶ─田口高校林業科
「いっぽん門」の柱と網目部分には、地元の田口高校林業科の生徒が伐採・製材加工した材を用いた。
同校の前身である田口農林学校は、1941年に林業を中心とした実業学校として発足した。39haある同校の鴨山演習林にはスギ・ヒノキが生育しており、安全な伐採技術をマスターする実習現場として活用されている。

同校には、全国的にも珍しい帯鋸製材機があり、一部のコースでは木取りを含めて木材加工技術を学んでいる。
こうした“基盤”が新設された「いっぽん門」に結実しており、同校の担当教諭は、「非常に貴重な機会になった」と話している。
(2025年12月3日取材)
(トップ画像=12月3日に「いっぽん門」を設置した)
『林政ニュース』編集部
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