【瞥見・ジャパンホームショー2025】異彩を放ったブース&新製品をみる

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国内最大級の建築総合展示会「第47回ジャパンホームショー&ビルディングショー2025」(日本能率協会主催)が11月19日から21日まで東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された。建材やインテリア用品、住設機器など様々な製品が所狭しと並んだ中で、異彩を放ったブースと新製品を紹介する。

浜松市が人気アニメ『エヴァンゲリオン』とコラボし天竜材をPR

同展示会には、建築のプロらも数多く足を運び、目の肥えた来場者が隅々まで“品定め”をしていた。そこで一際注目を集めていたのが静岡県浜松市のブースだ。

同市には、優良材の代名詞である「天竜材」を供給する林業地があり、国際的なFSC森林認証の取得面積でも国内トップクラスを誇る。これを広くPRするために、人気アニメ『エヴァンゲリオン』とコラボレーションしてブースをデザインした。

同市内には、映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で出てくる「第3村」のモデル地がある。また、今年(2025年)は、『エヴァンゲリオン』のTV放送開始から30周年、浜松市も合併20周年という節目の年を迎えている。これを記念して「シン・ハママツ計画」という大規模なコラボ事業を展開しており、その一環として同市のブースにも『エヴァンゲリオン』の看板が設置された。

担当者は、「天竜材の製品を展示していたときと比べると、約3倍の方がブースに来てくれた。本当に多くの人に興味を持ってもらうことができた」と人気アニメの集客力に感嘆していた。

グローバルレベルの自動車部品メーカーがログハウス事業開始

林業・木材産業界にとっては異分野からの参入者といえる日本リークレス工業(株)(埼玉県さいたま市、宮本一郎社長)のブースも目を引いた。同社は、グローバルに自動車部品を製造・販売しているが、新たに「Laminas House」というブランドでログハウス事業を始めている。

日本リークレス工業のブース

ログハウスの材料には、ムク(無垢)材や集成材の一種であるラミネートログなどが使用されているが、“趣味の建物の延長”とみられることもあって、JAS(日本農林規格)認証の取得などは十分には進んでいない。

しかし、建築基準法の改正などによって部材の品質管理を厳格化する潮流が強まっており、多くのログハウスメーカーは対応に追われているのが実情だ。

その中で同社は、JAS認証取得済みのログハウス部材を標準使用することで差別化を図ろうとしている。栃木県内で集成加工からプレカットまでカバーする製造ラインの整備を進めており、今年度(2025年度)末までにJAS認証の取得を完了する予定だ。担当者は、「弊社独自の販売経路をつくっていきたい」と口にした。

4本の木材を“1本の柱”にした「囲柱ラーメン木構造」を展示

同展示会では、今回も「ふるさと建材家具見本市」のコーナーを設け、国産材や地域材を幅広く紹介した。そこで存在感をみせたのが(有)ライン工業(岐阜県可児市、瀧本実社長)の「囲柱ラーメン木構造」だ。4本の木材を専用金物で“1本の柱”にし、梁とも一体化した構造で、店舗やホテルなど大開口を求める中大規模木造建築での採用が進んでいるという。同社は、高さ4mの実物大サンプルを持ち込んで、非住宅分野を開拓できる新製品であることをアピールした。

「囲柱ラーメン木構造」の実物大サンプル

(2025年11月19日取材)

(トップ画像=浜松市のブースに設置された『エヴァンゲリオン』の看板)

『林政ニュース』編集部

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