林道整備推進で「第2世代交付金」の獲得が重要課題に

全国 林道 予算・事業

政府が新設した「第2世代交付金」の獲得が林道事業を推進する上で重要な課題になっている。同交付金は、地方自治体からの申請に基づいて配分されているが、制度の見直しによって林道を含めた計画の認定件数が伸び悩んでいる。林野庁は、都道府県等に対して積極的な申請を呼びかけるとともに、参考事例の紹介などを通じて支援する体制をとっている。

制度見直しで採択のハードルが上がる、積極的な申請を呼びかけ

「第2世代交付金」は、地方創生を掲げた石破政権の目玉施策として、昨年度(2024年度)の補正予算で創設された。正式名称は「新しい地方経済・生活環境創生交付金」で、従来の地方創生整備推進交付金などを財源にしており、林道関係では2005年につくられた「道整備交付金(地方創生道整備交付金)」が「第2世代交付金」に「溶け込むかたちになっている」(林野庁整備課)。

「道整備交付金」は、広域農道や林道の一体的整備などを要件にして支出され、「林道には(各年度)70~80億円程度が配分されてきた」(同)。

「第2世代交付金」でも林道向けに同規模の配分が期待されるが、制度の見直しで、林道を含めたインフラ整備事業とソフト事業や拠点整備事業を組み合わせた一体的な計画をつくることが採択の要件になった。林道と他の事業との調整に従来よりも手間がかかるようになり、インフラ整備事業のウエイトが突出すると採択されないケースも出ている。

「第2世代交付金」には、昨年度補正予算で1,000億円、今年度(2025年度)当初予算で2,000億円が措置されており、随時申請を受け付けて“早い者勝ち”で支出するかたちになっている。

このため林野庁は、林道を含めて採択された計画の共通事項を都道府県に通知するなどして、「第2世代交付金」の活用を働きかけている。関係団体も「第2世代交付金」の確保に向け、関係方面への要請活動などを行っている。

なお、昨年度までに認定された継続計画については、「第2世代交付金」の対象とする経過措置が講じられている。

(2025年10月27日取材)

(トップ画像=従来の交付金(左)と「第2世代交付金」(右)の概要)

『林政ニュース』編集部

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