自民党プロジェクトチームが譲与税の活用促進策を検討、徴収開始に備える

全国 森林経営・管理

2019年度から全国の自治体に交付されている森林環境譲与税の利用促進が政治課題に浮上してきた。譲与税は、19年度と翌20年度で計500億円が市町村に配分されたが、森林整備費等に充てられたのは約229億円で、過半の54%にあたる約271億円は基金に積み立てられ、支出が先送りされている。2024年度からは個人住民税に1人当たり年間1,000円を上乗せする森林環境税の徴収が始まる。譲与税の活用が十分に進んでいないと環境税の徴収不要論が出てくる恐れもあるため、自民党の「地球温暖化防止のための森林吸収源対策プロジェクトチーム」(江藤拓委員長、進藤金日子(かねひこ)事務局長)は、都市部を含めて市町村からのヒアリングを3月末までに3回程度行い、対応策をまとめることにした。

譲与税を全額基金に積み立てた市町村数は19年度の666(全市町村の38%)から20年度は341(同20%)に減少し、21年度は199(同11%)にまで減る見込み。これに伴って、譲与税の支出(=活用)額は増えていく見通しだ。しかし、20年度段階で「過半が使われていない」とメディア等で報じられ、何らかのテコ入れ策が必要な状況となっている。譲与税の市町村への配分額は、「私有林人工林面積5割:林業就業者数2割:人口3割」の基準で計算されているが、人口の多い都市部への配分額が多いとの指摘も出ている。自民党PTは、配分基準のあり方についても検討することにしている。

(2022年2月10日取材)

『林政ニュース』編集部

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