林業関係中央団体などが会員となっている日本林業協会(東京都港区、前田直登会長)の会長が交代した。2月24日に東京都内で開催した定時総会で役員の改選を行い、前田会長(専務理事兼任)が退任して顧問となり、副会長の島田泰助氏(林業機械化協会会長)が新会長(同)に昇格した。
元林野庁長官の前田氏は、2008年6月に客員研究員として同協会に入り、副会長を経て、2014年2月から会長をつとめてきた。退任にあたって、「一番の思い出は森林環境税の創設。現職のときに提案して以来、十数年をかけて実現でき、本当に感慨深い」と述べるとともに、昨年6月に成立した都市(まち)の木造化推進法も重要な成果にあげた。
新会長の島田氏も元林野庁長官。就任の挨拶では、「前田前会長には15年間にわたって森林・林業界のリーダーとして引っ張ってきていただいた。おかげさまで森林・林業に対して非常に強い追い風が吹いてきており、2050年カーボンニュートラルの達成や国土強靭化のためにも国産材を積極的に使うべきという声が大きくなっている」との認識を示し、「林業の現状はまだまだ厳しいが、伐って、使って、植える循環を皆さんとともにつくっていきたい」と抱負を語った。
議事では、所定の議案を原案どおり承認。会員の異動では、解散したジョフカ(旧海外林業コンサルタンツ協会、小澤普照理事長)と日本森林技術協会(福田隆政理事長)の退会が報告された。また、事務所を置いている三会堂ビルが建て替え工事に入るため、5月31日までに文京区の林友ビルに移転することを決めた。
(2022年2月24日取材)
(トップ画像=就任の挨拶をする島田新会長)
『林政ニュース』編集部
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