ベトナム最大手の林業関連企業・VINAFOR社(レ・クォック・カイン社長)と連携して林業の担い手づくりを推進する取り組みが高知県でスタートした。同県と高知市に本社を置く丸和林業(株)(北岡幸一社長)は、3月14日にVINAFOR社との間で「連携と協力に関する協定」を締結、ベトナムから人材を受け入れ、育成していくことで合意した。
合弁会社を設立して人材を迎え入れ研修を実施へ
来年度(2022年度)中にもVINAFOR社と丸和林業が合弁会社を設立して、ベトナムから人材を迎え入れる。その後、香美市にある高知県立林業大学校で試行的な研修を行い、実施状況を検証した上で、2023年度から短期課程の一部として専門コースを開講することを検討する。
現行の外国人技能実習制度では、林業分野での在留期間は1年間しか認められていないため、実践的な技術や知見を学ぶには不十分との声が強い。そこで、合弁会社を“受け皿”としてベトナムから企業内転勤のようなかたちで人材を受け入れ、可能であれば5年間程度の長期研修を行うことなどが構想されている。
VINAFOR社は、グループ会社を合わせて約3,000人の従業員を擁する国営企業で、約5万haの森林を管理しているほか、木材・チップ加工や木製品・家具の製造・販売・輸出などを幅広く手がけている。一方の丸和林業は、グループ会社を含めて約120人が勤務しており、全国レベルでチップ生産や木材リサイクル事業などを展開している。
丸和林業は、2020年2月にVINAFOR社との間で人材派遣をはじめとした包括的業務提携に関するMOU(基本合意)を締結、来日したレ・クォック・カイン社長が高知県知事を表敬訪問するなど交流を深めてきていた。
(2022年3月14日取材)
(トップ画像=高知県庁で協定締結式を行った)
『林政ニュース』編集部
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