G7サミットで山火事対策の文書を初採択

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6月15日から17日までカナダのアルバータ州カナナスキスで開催されたG7サミット(主要7か国首脳会議)で、初めて山火事対策の強化を目的とする成果文書が採択された。同サミットの議長国で大規模な山火事が頻発しているカナダからの提案に各国が賛同し、国際協力を強化していくことで合意した。

カナダからの提案に各国が賛同、国際協力の強化へ

採択された成果文書は、「G7カナナスキス山火事憲章(KANANASKIS WILDFIRE CHARTER)」。冒頭で、「G7首脳は、過去10年間に森林のある大陸すべてで記録的な山火事が発生し、しばしば国家の対応能力を超え、政府が他国からの支援を要請する事態に至っていることを深刻に懸念する」と危機感を表明した上で、「山火事の発生及び悪影響を軽減するための統合的な行動をとる」ことを宣言し、「山火事を防止し、闘い、回復するため、国際協力を加速させる」との決意を明記した。

具体的には、①科学的研究に基づいた山火事の原因と予防策に関する認識の共有(予防と緩和)、②山火事の予測、特定、監視のための研究、ツール、技術の活用(準備と対応)、③山火事の防止や緩和に資する持続可能な森林経営等の最適な方法の探求(復旧と復興)──などに取り組むことにしている。

G7サミットに出席した日本の石破茂総理大臣は、岩手県大船渡市で発生した平成以降で最大規模の林野火災被害*1などを念頭に、「日本でも頻繁かつ大規模に山火事が発生している」と報告するとともに、「消火体制・装備の充実などの対策強化の検討や、山火事の早期発見に努めており、各国とも連携していきたい」と発言した。

(2025年6月18日取材)

(トップ画像=G7カナナスキス山火事憲章(KANANASKIS WILDFIRE CHARTER)の一部)

『林政ニュース』編集部

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