木材産業は海外のインドネシアでも試験を実施
政府は、昨年(2024年)3月29日の閣議で、林業と木材産業を「特定技能1号」の対象分野に追加し、2028年度までの5年間で、林業は1,000人、木材産業は5,000人まで外国人材を受け入れ可能とした*1*2*3。
同制度の試験に合格して「特定技能1号」の資格を取得した外国人材は、最長5年間の在留が認められ、腰を据えて技術習得などができるようになる。
国内は技能実習生や留学生、国外は来日する就業希望者が対象
同制度では、原則として日本語試験と測定試験に合格した外国人材と受け入れ企業が直接雇用契約を結ぶことにしており、国内の受験対象者は、すでに日本で働いている技能実習生や留学生など、国外試験の対象者は、新たに日本に来日して就業を希望する外国人材を想定している。試験はペーパーテスト方式(○×式)と実技で行い、試験言語の日本語の漢字にはふりがな(ルビ)を付す。合格基準は65点以上とし、試験日から1か月以内にインターネット上で合格者を発表する。
すでに林業で2名、木材産業で61名が合格、受け入れ企業も増加
林業の試験実施機関である林業技能向上センターは、初の試験を3月6日に愛媛県内の会場で行い、2名が受験・合格した。これを踏まえ、今年度は6月に奈良、9月に北海道、来年(2026年)2月に愛媛の3会場で国内試験を実施する。受験手数料は、2万円(税込)。
一方、木材産業の試験実施機関となっている全国木材組合連合会は、昨年12月20日に東京、今年(2025年)1月30日に福岡の2会場で国内試験を行い、計39名が受験して36名が合格した。また、初の国外試験を2月19・20日にインドネシアの会場で実施し、75名が受験して25名が合格した。今年度は、6月27日に東京、7月24日に福岡、8月下旬に名古屋、10月下旬に北海道、11月下旬に広島、12月下旬に岩手、来年1月下旬に福岡、2月下旬に東京の8会場で国内試験を行うとともに、インドネシアで2回程度の国外試験を実施する。国内試験の受験料は、4,400円(税込)。
同制度では、試験に合格した外国人材を受け入れる企業を「特定技能所属機関」と呼び、分野ごとの特定技能協議会に入会することを義務づけている*4。

現時点で、林業分野では11社、木材産業分野では15社(22事業所)が特定技能所属機関(受け入れ企業)になっている(表参照)。
今後は、試験に合格した外国人材と特定技能所属機関とのマッチングを進めるとともに、安定して就業できる支援体制を整えることが課題になる。

(2025年5月15日取材)
『林政ニュース』編集部
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