「足利市の山林を火災から守る条例」施行、喫煙など禁止

栃木県 災害

「足利市の山林を火災から守る条例」施行、喫煙など禁止

栃木県の足利市は、昨年(2021年)発生した大規模な山火事(「足利市西宮林野火災」)を踏まえ、「足利市の美しい山林を火災から守る条例」を制定し、4月1日に施行した。山林火災に特化した条例は全国的にも珍しい。

「足利市西宮林野火災」は、昨年2月21日に発生し、鎮火するまでに23日間かかった。林野被害面積は167ha、森林被害額は3,200万円に及び、御岳神社が消失したほか、周辺学校の一時休校や道路の一部閉鎖を余儀なくされた。周辺の住民は眠れない夜が続き、「二度とこのような山林火災を起こさないという決意」(同市担当者)から条例をつくった。

条例は全10条からなり、山林火災の予防に向けた、市、市民、入山者、山林関係者の責務をそれぞれ規定。具体的な予防策として、「市民等は、山林の屋外において喫煙してはならない」(第8条)と定めたほか、住宅、寺院、事業所の敷地内以外では、たき火、煙火、裸火の使用を禁止するとした(第9条)。

罰則は設けておらず、火災で得た教訓を後世に伝え、予防活動と防災体制の強化を図る理念的な条例となっている。

足利市消防本部の話「今後はホームページやSNSでの発信、登山口でのチラシ配布、立て看板の設置などによって条例の内容を周知・徹底していきたい」

(2022年4月1日取材)

『林政ニュース』編集部

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