今年度(2024年度)の「林業イノベーション現場実装シンポジウム」(林業機械化協会主催)が2月5・6日に東京都内の2会場で開催された。
最新の林業機械を駆使した作業システムや林業経営モデルなどが紹介された中で、一際存在感を放ったのは、木質系新素材だった。
森林総合研究所(茨城県つくば市)と玄々化学工業(株)(愛知県津島市)は、広葉樹ファインセルロースファイバー(FCF)の製造・利用技術について発表した。FCFは、パルプ繊維とセルロースナノファイバーの中間サイズの繊維で、FCFを使った木材保護剤を建築物に用いる検証事業が行われている。FCFは中小規模のプラントでも製造でき、高付加価値産業を生み出す可能性を秘めている。
また、森林総研、玄々化学工業、チヨダ工業(株)(愛知県東郷町)は、木材を柔らかくして成形加工する技術も披露した。ヘミセルロースを除去することで木目を残したまま変形させることができ、木材の自由な立体加工が可能になる。森林総研などは、企業・自治体と連携し、製品開発につなげることにしている。
(2025年2月5日取材)
(トップ画像=広葉樹ファインセルロースファイバー(FCF、左)と、木材を柔らかくする技術で開発された製品)

『林政ニュース』編集部
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