低迷が続いていた山元立木価格が上昇してきた。日本不動産研究所が10月25日に公表した調査結果によると、今年(2022年)3月末時点の山元立木価格(利用材積1m3当たり)は、スギが4,994円で対前年比56.1%増、ヒノキが1万840円で同51.9%増、マツが2,729円で同37.2%増といずれも大幅にアップした。
ウッドショックやロシアのウクライナ侵攻、急速な円安などが重なって海外からの木材輸入には不透明感が強まっており、国産材に対するニーズの高まりが山元立木価格にも及んできたかたちだ。
なかでもスギとヒノキの上昇率は、1953年以降で最大を記録した。
だが、過去のピーク時と比べると、値戻しが進んだとは言い難く、スギは最高だった1980年(2万2,707円)の22.0%、ヒノキは同じく1980年(4万2,947円)の25.2%の水準にとどまっている(トップ画像参照)。
山林素地価格も31年ぶりに下落止まるが、最高時の半額以下
同研究所は、3月末時点の山林素地価格(普通品等10a当たり)の調査結果も公表した。
山林素地価格のうち、用材林地は4万1,082円で前年の4万1,080円から微増(対前年比0.0%)。薪炭林地は2万8,553円で前年より40円(同0,1%増)アップした。ともに31年ぶりに下落から上昇に転じ、長期下落傾向に歯止めがかかった。 ただし、用材林地の価格はピーク時だった1983年(8万9,383円)の46.0%、薪炭林地の価格は1982年(5万7,382円)の49.8%と、こちらも低水準となっている。
(2022年10月25日取材)
『林政ニュース』編集部
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