2021年の林業産出額が13%増、5,460億円に 2000年以降で最高、木材生産は32%増

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2021年の林業産出額が13%増、5,460億円に 2000年以降で最高、木材生産は32%増

2021年の林業産出額が対前年比13.0%増の5,460億円に増え、2000年以降で最高を記録した。ウッドショックの影響などで国産材の需要と価格が高まり、木材生産の産出額が同32.0%増の3,254億円に伸びたことがプラス要因となった。

農林水産省が2月17日に林業産出額の最新数値を公表し、2021年は前年を630億円上回る5,460億円に達したことがわかった。5,460億円の内訳は、木材生産が3,254億円(対前年比32.0%増)、栽培きのこ類生産が2,092億円(同7.4%減)、薪炭生産が66億円(同10.4%増)、林野副産物採取が49億円(同3.2%増)となっている。

林業産出額は、木材価格の低迷などで減少し続けていたが、国産材の利用拡大などに伴って2013年以降は増加基調となっており、2018年には5,026億円と18年ぶりに5,000億円台に乗せていた。

これまで林業産出額の構成割合(シェア)は、木材生産と栽培きのこ類生産がそれぞれ50%程度を占め、ほぼ同水準で推移してきたが、2021年は木材生産の構成割合が59.6%と前年(2020年)より8.6ポイント上昇したのに対し、栽培きのこ類生産は8.5ポイントダウンの38.3%に低下した。

ウッドショックに見舞われた21年は、木材需給のひっ迫感が強まる中で、外材から国産材への切り替えが進み、価格も上昇したことで木材生産の産出額が増加した。一方、栽培きのこ類については、コロナ禍の巣ごもり需要が一段落して需給が緩み、価格が低下したことで産出額が減少したとみられている。

なお、21年の林業産出額を都道府県別にみると、1位は長野県(578億円、同3.4%減)、2位は新潟県(442億円、同8.1%減)、3位は北海道(416億円、同7.3%増)となっている。

(2023年2月17日取材)

(トップ画像=林業産出額の推移)

『林政ニュース』編集部

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