「骨太の方針2023」にも「花粉症対策」 森林吸収源対策の加速化なども盛り込む

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「骨太の方針2023」にも「花粉症対策」 森林吸収源対策の加速化なども盛り込む

政府は、来年度(2024年度)予算編成の基軸となる「骨太の方針2023」(経済財政運営と改革の基本方針2023)を6月16日に閣議決定した。新たに花粉症対策に取り組むことを明記したほか、グリーントランスフォーメーション(GX)の一環として森林吸収源対策等を加速化することや、再造林の促進等を含めた木材の安定供給体制構築、「国土強靭化基本計画」に即した森林整備・治山対策の推進なども盛り込んだ。

年内に「林業活性化・木材利用推進パッケージ」の策定を追記

岸田政権が閣僚会議を新設してスギ人工林の約2割削減などの目標を打ち出した花粉症対策*1*2が「骨太の方針」でも重点事項に位置づけられた。「国民生活の安全・安心」に関する取組課題として、5月30日に決定した「花粉症対策の全体像」に基づく対策に「政府一体となって取り組む」と記し、スギ人工林の伐採と植え替えを促進して約30年後には花粉発生量の半減を目指す方針を明確にした。

また、「食料安全保障の強化と農林水産業の持続可能な成長の推進」を図る課題の1つとしても、花粉発生源対策に取り組むことをあげ、「2023年内に『林業活性化・木材利用推進パッケージ』(仮称)を策定」するとした。「パッケージ」の策定については、「骨太の方針」の当初案では記述がなかったものを検討過程で追記した。「それだけ花粉症対策が重視されていることの表われ」(林野庁幹部)といえる。 このほか、森林吸収源対策などに関しては、昨年の「骨太の方針2022」における書きぶりを引き継いでおり、「(予算確保に向けて)必要な文言は盛り込まれた」(同)かたちとなっている。

(2023年6月16日取材)

『林政ニュース』編集部

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