足寄・下川・滝上・美幌の4町が町有林を活用しJ-クレジットを創出・販売

北海道 森林の新たな利用

足寄・下川・滝上・美幌の4町で構成する北海道森林バイオマス吸収量活用推進協議会(会長=田村泰司・下川町長)と(株)ステラーグリーン(東京都中央区、中村彰徳・代表取締役社長兼CEO)は、「持続可能な脱炭素社会実現に向けた連携協定」を5月13日に東京都内で締結した。合計面積が約1万3,200haに及ぶ4町の町有林を使ってJ-クレジットの創出・販売を進める。複数の町が連携してJ-クレジット事業に取り組むのは珍しく、規模も全国でトップラスとなる。

同協議会は、J-クレジットの前身であるJ-VERの間伐促進型プロジェクトの第1号に認定されており、4月1日時点で合計2万9,781t-CO2のクレジットを発行し、累計販売額は3億1,387万円に達している。ただし、現在はクレジットの在庫が減少し、J-VERからJ-クレジットへの制度移行も踏まえた新たな取り組みが必要になっていた。

協定に基づき4町は、町有林を対象に認証期間8年で約17万6,000t-CO2のクレジットを創出し(参照)、ステラーグリーンが販売する。得られた収益は各町に分配し、森林整備や人材育成などの経費に充てる。現在、東証でのクレジット取引価格はt-CO2当たり約5,000円で推移しているが、J-VER時代は約1万円で販売した実績があり、4町の町有林をフル活用することで事業全体では約8億8,000万円から約17億6,000万円の収益を上げられると見込んでいる。

ステラーグリーンの専門性や透明性を評価、コストダウンを目指す

5月13日の協定締結式で挨拶した同協議会の田村会長は、「複数の自治体が力を合わせ、J-クレジットの信頼性と規模を高め、企業の脱炭素ニーズに応えていく」と述べた上で、パートナーにステラーグリーンを選んだ理由として、「高い専門性と透明性を持ち、森林にお金を還すビジョンが共感できたからだ」と説明した。

ステラーグリーンは、J-クレジットの申請・登録から審査、モニタリング、販売までの全工程を「成功報酬型ワンストップサービス」として提供しており、自治体側の新規負担はゼロに抑えている。販売収入の分配も利益ベースではなく、売上ベースを採用しており、コストダウンと高付加価値化を追求する方針をとっている。具体的には、衛星データとAI(人工知能)を活用して、測量に関わるコストを航空レーザ計測よりも2分の1から10分の1に削減することなどを目指している。

(2026年5月13日取材)

(トップ画像=東京都千代田区の全国町村会館で行った協定締結式に出席した(左から)渡辺俊一・足寄町長、田村泰司・下川町長、中村彰徳・ステラーグリーン社長、清原尚弘・滝上町長、平野浩司・美幌町長)

『林政ニュース』編集部

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