関東森林管理局は、原発事故で放射能汚染の被害を受けた福島県の帰還困難区域における森林整備再開に向け、今年度(2025年)実施した実証事業の成果報告会を1月29日に同県富岡町で開いた。

はじめに長崎大学原爆後障害医療研究所の高村昇教授が放射線に関する基礎知識や健康リスクの考え方、事故後の福島県内の状況などについて講義した後、同局森林放射性物質汚染対策センター(福島市)の伊藤秀晃所長が実証事業の概要などについて説明した。
伊藤所長は、空間線量率や放射性物質濃度にはバラツキがあったとの調査結果を示した上で、森林作業を行うにあたっては、空間線量率等に応じて適切な放射線防護対策ができるよう事業実施前に現地調査をして放射性物質の状況を把握することが必要と指摘。その上で、今年度の実証事業を通じて被ばく線量の予測手法に一定の精度が確認されたので、これを活用して適切な年間作業計画を立てることで、被ばく線量を低く抑えながら帰還困難区域内で森林作業を行うことができるとの見方を示した。
関連して、林野庁研究指導課の高田悟課長補佐が1月23日に公表した「福島の森林・林業再生に向けた森林作業ガイドライン」について、また、福島県林業振興課の武田裕矢副主査が昨年(2025年)12 月に見直した「福島県民有林の伐採木の搬出に関する指針」に関して解説した。
なお、帰還困難区域(7市町村)の総面積約3万4,000ha の77%は森林で覆われており、国有林は同区域の50%を占めている(トップ画像参照)。
(2026年1月29日取材)
『林政ニュース』編集部
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