森林レンタル「forenta(フォレンタ)」を全国へ、フランチャイズ事業開始

岐阜県 静岡県 森林の新たな利用

山林経営や製材事業を行っている(株)山共(岐阜県東白川村、田口房国社長)は、昨年11月から行っているキャンパー向け森林レンタルサービス「forenta」を全国的にフランチャイズ展開することを決めた(11月9日に発表)。第1弾として、静岡県の(株)ソマウッド(静岡市、久米歩社長)と宇佐美麦酒製造(株)(伊東市、下土井結基雄社長)の2社がフランチャイズ契約を結び、利用者の受け付けを始めた。

ソマウッドが提供する「forenta-SHIZUOKA清水キャンプエリア」は、新東名高速道路の清水いはらICから車で20分。比較的平坦なスギ林内に約200坪の区画を10か所整備した。駐車スペースもあり、四駆軽自動車なら区画前まで進入できる。1区画の年間レンタル料金は13万2,000円(税込み)。

宇佐美麦酒製造が運営する「forenta-SHIZUOKA宇佐美キャンプエリア」は、JR伊東線宇佐美駅が最寄り駅で、宇佐美海水浴場まで車で5分。ミカン畑の「ファームゾーン」と森林の「フォレストゾーン」の計35区画があり、約45台分の駐車場を備える。1区画は約60坪で、年間レンタル料金は13万2,000円(同)。

「forenta-SHIZUOKA宇佐美キャンプエリア」のファームゾーン

反響大きくエリア拡大、キャンプブーム後も考えて貸し出し

同社が提供する「forenta」には、これまで650件もの申し込みがあり、田口社長は「大きな反響があった」と言う。現在は利用エリアを57区画まで広げ、“自然のまま活かす”という同社のコンセプトに理解を示す利用者に貸し出している。

田口房国・山共社長

「forenta」と同様の森林貸し出しサービスが各地で行われ始めているが、田口社長は、「ビジネスとして成り立たせるには、区画整備や利用規約の作成、広報などの壁があり、実際には参入が難しい。ロイヤリティを支払ってでもノウハウを学びたい人が多い」と話す。フランチャイズ事業については、「本業ではなく副業として考えている山主や事業者からの問い合わせが増えている」という。

田口社長の話「『forenta』を通じて森林に入るルールやマナーを学んでいただき、森林と共生できる社会を目指したい。キャンプブームがすぎた後でも木材生産など新たな使い方ができることを考え、全国47都道府県でのフランチャイズ展開を目指したい」

(2021年11月9日取材)

(トップ画像=「forenta-SHIZUOKA清水キャンプエリア」の1区画)

『林政ニュース』編集部

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