森林研究・整備機構の森林総合研究所森林バイオ研究センター(茨城県日立市)において、世界で初めて開発したスギのゲノム編集技術を用いて無花粉スギを育種する研究施設の見学会が11月16日に開催された。
一般公募の21名が参加し、ゲノム編集技術の特長や遺伝子組換え生物等に関する規制とのかかわり、無花粉スギ「爽春」、エリートツリー、特定母樹などの概要について説明を受けた後、3班に分かれて、遺伝子組換え実験棟、組織培養棟、特定網室及び隔離ほ場を視察した。
見学後の意見交換では、センター長の藤原健氏が「ゲノム編集技術を使用して作出した無花粉スギを実用化するために、5年以内に野外栽培試験をするための手続きにとりかかることが目標」と述べたほか、炭素を貯めやすいスギ品種の開発などを検討していることが伝えられた。同センターでは、今後も研究施設の一般公開などを行っていくことにしている。
(2021年11月16日取材)
(トップ画像=研究者から説明を受ける見学者)
『林政ニュース』編集部
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