14年に及んだ「阿津江地区直轄地すべり防止事業」が完了

徳島県 治山 災害

徳島県那賀町阿津江地区(旧木沢村)で14年間にわたって行われてきた国の直轄地すべり防止事業が今年度(2021年度)末で完了する。主要な工事が終わったことを踏まえて、3月3日に那賀町の鷲敷中央公民館で完工記念式典を開催、橋本裕治・四国森林管理局長から飯泉嘉門・徳島県知事に治山施設の引き渡し(目録の贈呈)が行われ、施工業者には感謝状が授与された。

阿津江地区では、2004年8月の台風10号による記録的豪雨で大規模な地すべりが起き、2名が行方不明となり、国道や町道が崩壊するなど甚大な被害が発生した。

被災箇所が大きく急斜面でもあることから国の直轄事業として2008年度から地すべり防止工事を実施。斜面長800m、幅100mの対象地に対して、地中深くまでアンカーを打ち、集水井工を施し、多数の治山ダムを設置してきた。当初は工期を10年間としていたが、2016年の台風で土砂の流出などがあったため4年間延び、総事業費は53億6,900万円に上った。

完工記念式典で挨拶した飯泉知事は、「この難工事を無事に施工いただいた林野庁、四国森林管理局、施工業者の皆様の高い技術力とご尽力に感謝する。県として今後の維持管理をしっかりと行い、『防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策』も活用しながら、再度災害の防止に取り組んでいく」(要旨)と決意を述べた。

(2022年3月3日取材)

(トップ画像=現地を視察する飯泉知事ら関係者)

『林政ニュース』編集部

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