| 事業者名 | 株式会社伊万里木材市場 |
| 代表者名 | 伊東貴樹 |
| 所在地 | 佐賀県伊万里市山代町楠久津145番地 |
| 創業年 | 1960年 |
| 業種・アンケート種類 | 原木市売市場(NO.3) |
| 年間原木取扱量 | 600,000 m³ |
| 輸送主体 | 委託 |
| 輸送手段 | トラック、トレーラー、船舶 |
| ヒアリング対応者 | 金丸勝彦・取締役製品建設部部長 |
7.3.2.1. 伐採後の植林・保育を引き受け、木材価格の平準化に努める
同社の年間原木取扱量は、2022年、2023年と2年連続で60万m³を上回って過去最高を記録し、全国屈指の事業規模を誇っている。


出典:https://www.imarimokuzai.co.jp/top/profile/ (2025/03/17閲覧)『会社概要』
大量の原木を安定的に調達するため、立木の購入時に森林所有者と協定を結び、伐採から植林、下草刈りなどに関する作業を5年間引き受け、健全に育てた森林を所有者へ戻す取り組みを続けている。
また、原木や木材製品価格が高騰したウッドショックのときでも一定の価格水準を保つことを基本とし、九州の原木価格(m³あたり)がヒノキで4万円、スギで3万円程度まで上昇しても追随せず、ヒノキは2万5,000~6,000円、スギは1万6,000~7,000円程度にとどめ、原木の販売先である製材工場や合板工場との信頼関係を深めた。こうした取り組みにより、大量の原木を安定的に供給することが可能になっている。

7.3.2.2. ドライバー目線で待ち時間を削減、モーダルシフトも進める
同社の土場(原木置き場)は一般道と接しており、原木を積んだトラックやトレーラーがスムーズに荷下ろしできないと渋滞の原因となってしまう。そこで、事前に配車計画などの調整を進め、隣接する西九州木材事業協同組合の用地も利用するなどして、荷下ろしに伴う待ち時間を極力なくすよう努めている。
また、土場の入り口には、専任の案内人が常駐しており、ドライバーが土場内のどこに原木を下せばいいかを迅速かつ的確に伝えるようにしている。

陸送だけに頼らないモーダルシフトにも取り組んでおり、愛媛県西条市の株式会社サイプレス・スナダヤには船舶を利用して原木を定期的に届けている。
「物流の2024年問題」への対応を進めている同社は、山元還元のさらなる拡大を目指し、効率的な物流ネットワークを拡大することを検討している。そのためには、自社および関連会社の経営資源だけではなく、同業他社との連携・協業の拡大・深化を積極的に推進していく方針である。 同社は、九州地域にとどまらず、全国、さらには世界市場を視野に入れた事業展開を計画しており、国産材の供給力強化を戦略的課題に位置づけている。
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(株)日本林業調査会
1954年創業。「林政ニュース」の編集・運営・発行をはじめ、森と木と人にかかわる専門書籍の発刊を行っている。