香川県が高知県の除間伐事業に経費支援 早明浦ダム周辺の水源林整備、3か年で

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香川県が高知県の除間伐事業に経費支援 早明浦ダム周辺の水源林整備、3か年で

香川県が高知県内で実施される除間伐事業への経費支援を始める。

香川用水の水源林を保全するため、高知県の嶺北広域行政事務組合を通じた間接補助を、来年度(2003(平成15)年度)から3年間行う。県単独事業で他県の森林整備を支援するのは全国で初めて。県境を超えた新しい上下流の連携事業として注目される。2月15日に公表された香川県の来年度予算案に、「香川用水水源の森保全事業」として3,500万円が計上された。


対象森林は、高知県の本山町・大豊町・土佐町・大川村・本川村の5町村に広がる約6万33,000haの民有林(人工林)。この地域は、香川用水の「水瓶」にあたる早明浦ダムを抱えているが、林業の不振で放置林が増加している。このため、高知県が緊急間伐5カ年計画を策定して2004(平成16)年度までに約1万haの除間伐を行うことにしている。香川県の単独支援は、これに上乗せ補助をするかたちをとる。

補助条件は、①高知県造林補助事業の対象となっている除間伐事業、②市町村森林整備計画に定める水土保全林──の2つ。補助率は、10分の1(標準事業費の10%程度)。

林野庁で林政課長(1986(昭和61)年7月~1989(平成元)年2月)をつとめた真鍋武紀・香川県知事は、2月2日にNHK四国で放送された「四国4県知事対談」の中で、「香川県は水が足りないので、ダムを造ったり、節水型の生活をすることが必要。そろそろ思って切って他県の水源林整備にもお金を出したらどうかと検討しており、来年度から予算化したい」と発言(要旨)。3月に同県が策定する県総合水資源対策大綱にも、水源林整備への支援が盛り込まれる見通しだ。

(2022年2月2日・15日取材)

(トップ画像=早明浦ダム、独立行政法人水資源機構のウェブサイトより)

『林政ニュース』編集部

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