農林水産省が、かつてない激震に揺れている。松岡利勝農林水産大臣が5月28日に自殺し、後任に、6月1日付けで赤城徳彦衆議院議員が就任。緑資源機構談合事件への対応に追われ、省内に動揺が続く中、新たな体制で再スタートを切った。
赤城新農相は、就任記者会見で、「松岡前大臣は農林水産行政に対しての思い入れが強く、力強く政策を推進してきた。道半ばで倒れた無念の想いもしっかり受け止めながら様々な課題に取り組んでいきたい」と述べた。林政の推進に関しては、「安倍総理は特に環境に対して力を入れている。その中で中心的な役割を担うのは、森林をはじめとした自然を相手にする分野であり、環境面での対策を進めていきたい」と意欲を示した。
また、最大懸案となっている緑資源機構の談合事件については、「こういうことは決して許されないこと。今後、官製談合とか押しつけ的な天下りとかが起きないようにしっかり取り組んでいく」とし、組織のあり方については、「人材や事業をどうするか、第三者委員会の検討作業を加速していただき、廃止の方向で細部を詰めるよう(事務方に)指示をした」と明言した。
赤城氏は、農林水産省出身で、防衛副長官、自民党政調副会長などをつとめての初入閣。祖父は元農相の宗徳氏。衆院茨城1区。当選6回。高村派所属。48歳。
(2007年6月1日取材)
(トップ画像=農林水産大臣就任時に『林政ニュース』のインタビューに応じた松岡利勝氏)
『林政ニュース』編集部
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