間伐材チップを配合した「木になる紙」の利用を進めている佐賀市は、使用実績に応じて取得したカーボン・クレジットを同市の二酸化炭素(CO2)排出量から差し引くカーボン・オフセットの取り組みを始めた(3月25日に発表)。
同市は、2009年度から九州産の「木になる紙」をコピー用紙や封筒、「市報さが」などの印刷用紙などで使っており、2015年度からは同市産間伐材チップを配合した「佐賀の森の木になる紙」への切り替えを進めている。
「木になる紙」は、購入費の一部が山(森林)に戻る仕組みになっている。同市では2020年度までの12年間で、コピー用紙換算で約36万箱分の「木になる紙」を使い、合計1,970万円を森林づくり資金として山元に還元してきた。
この実績が評価され、「木になる紙」を供給している「国民が支える森林づくり運動」推進協議会から、2020年度分として約25tのカーボン・クレジットを無償で取得。これを同市役所のCO2排出量(約6万4,000t)からオフセットする独自の炭素削減策を講じた(両者の合意契約に基づく自主的な相対取引)。今後もこの取り組みを継続し、「木になる紙」の使用が脱炭素化につながることを“見える化”していくことにしている。
山口和海・佐賀市総務部契約監理課長の話「エシカル消費などへの市民の関心が高まっており、『木になる紙』を使うことで地球温暖化防止に貢献できることをわかりやすくアピールしていきたい」
(2022年3月25日取材)
(トップ画像=佐賀市が3月に開設したJ-クレジット口座にカーボン・オフセットの取引が記録されている)
『林政ニュース』編集部
1994年の創刊から31年目に突入! 皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしてまいります。