燃料材の大半を占める木質ペレットの自給率が下がり続けている。
林野庁がまとめた木質ペレット(木質粒状燃料)に関する最新の調査結果によると、2023年の国内生産量は対前年(2022年)比0.4%増の15万9,000tだったのに対し、輸入量は同31.7%増の580万3,000tに大きく伸び、自給率は2.7%に低下した(22年の自給率は3.5%)。
国内のペレット工場数も22年より4工場減の132に減少しており、国内生産量が上向く状況にはない。一方で、輸入量は増加基調となっている。大手企業や金融機関などが建設する大型の木質バイオマス発電所は、大量の輸入ペレットを燃料にして安定稼働させる設計になっており、需要が伸び続けている。輸入ペレットの約9割は、ベトナム、カナダ、アメリカで大量生産されており、為替レートの影響は受けるものの価格競争力は高い。
ペレットの代替燃料となるPKS(ヤシ殻)の23年の輸入量も同14.8%増の594万5,000tに増加しており、インドネシアとマレーシアから安定供給されている。 大型木質バイオマス発電所で使用する燃料は外国頼みという構図が定着してきている。
(2024年9月27日取材)
(トップ画像=木質ペレット輸入量の推移)
『林政ニュース』編集部
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