第17回本多静六賞に伊佐裕氏、先進技術で都市と山を結ぶ

第17回本多静六賞に伊佐裕氏、先進技術で都市と山を結ぶ

今年度(2023年度)の「第17回本多静六賞」の受賞者に、伊佐ホームズ(株)(東京都世田谷区)の代表取締役社長で森林パートナーズ(株)(同)の代表取締役会長でもある伊佐裕氏が選ばれた。主催者である埼玉県が3月1日に発表した。

本多静六賞は、日本初の林学博士である本多静六氏の功績を讃えて創設され、埼玉県にゆかりがあり、学術研究または実践活動で森林づくりなどに貢献した個人・団体を表彰している。今回は10件の推薦応募があった。

受賞理由では、伊佐ホームズが実践する①ICTを活用した新たな流通システムによる林業の6次産業化、②木材流通サプライチェーン(SCM)の構築、③緑と共生する社会づくりへの貢献──などの実践的な活動が評価された。

同社は、都心で建てる住宅に使用する木材を埼玉県の秩父地域から調達している。3次元スキャナーによる立木調査や木材の加工・流通をQRコードで管理し、クラウドで共有するなどICTの活用により経費を抑えたことで、山元への利益還元を増やしている。また、同社独自のSCMをオープン化して全国に普及させるため、森林パートナーズ(株)を2018年に設立。消費者参加型の「森を育てる家づくり」にも取り組んでいる。

伊佐裕氏の話「近江商人の『三方よし』の精神でICTを活用して川下から川上をつなぎムダのない流通を構築してきた。本多静六賞の受賞を励みに今後も林業・木造建築の復権に取り組む」

(2024年3月1日取材)

(トップ画像=昨年(2023年)10月28日に開催した「サザエさん森へ行く植樹ツアー in 秩父 2023」で挨拶する伊佐裕氏、画像提供=伊佐ホームズ)

『林政ニュース』編集部

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