埼玉県上尾市(畠山稔市長)と群馬県片品村(梅澤志洋村長)は、片品村内の森林を共同で整備する協定を8月25日に結んだ。上尾市の二酸化炭素(CO2)排出量の一部を、片品村内の森林が吸収するCO2量でオフセット(相殺)する。埼玉県の自治体が他県の自治体の森林づくりに協力してカーボン・オフセットをするのは初めて。
協定の対象地は、片品村内にある5.64haのカラマツ林で「あげおの森」と命名した。森林整備に必要な費用は上尾市が森林環境譲与税を使って負担し、地元の森林組合などが間伐作業などを実施する。当面、5年間をかけて森林づくりを進める計画で、今年度は上尾市が200万円を拠出して、0.61haの森林整備を行う。
上尾市は、昨年(2021年)7月に「ゼロカーボンシティ宣言」を表明した。片品村とは、2002年に「災害相互応援協定」を結んでおり、森林づくりと脱炭素化での連携を呼びかけた結果、今回の協定締結に至った。担当者は、「『あげおの森』の森林整備が進めば、交流の場としても利用していきたい」と話している。
(2022年8月25日取材)
(トップ画像=協定書を手にする畠山稔・上尾市長(左)と梅澤志洋・片品村長)
『林政ニュース』編集部
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