山形県や日本林業技士会山形県支部などは、10月28日に真室川町内の町有林と県営林を使って「スマート林業研修会」を開催し、関係者ら約90名が参加した。下刈りや伐根処理などを省力化する3種類の造林機械を使って比較デモンストレーションを実施したほか、ロングリーチ伐倒ソーや丸太検知アプリなどの実演も行った。

造林機械の比較デモでは、(株)筑水キャニコム(福岡県うきは市)の多目的造林機械「山もっとモット」、筑波重工(株)(岩手県洋野町)の車高調整式下刈り機械「ハイドロマチック・モア」、イタリア・FAE社製のアタッチメントを装着した「マルチャー」が現場作業にあたった。
「山もっとモット」(「山もっとジョージ」の市販化に伴い名称変更)は、オペレーターが乗車したまま伐根処理や下刈り、苗木運搬などの作業が行える。「ハイドロマチック・モア」は、リモコンで遠隔操作でき、車体が最大60cm上昇して伐根などの障害物を乗り越え、地形の変化にも対応できる。「マルチャー」は、ベースマシンのヘッドにアタッチメントの「クラッシャ」を装着したもので、下刈りや地拵え作業などに利用できる。
参加者からは、「異なるタイプの機械を同時に見ることができ、使用感やコンセプトの違いがはっきりわかった」などの感想が聞かれ、具体的な使用シーンや操作方法、導入コストなどに関する質問や意見が相次いだ。
なお、同県では、8月29日に発足した「最上地域スマート林業推進協議会」が中心となって来年度(2023年度)中にモデル団地を設定し、造林機械などの実用性を検証することにしている。
(2022年10月28日取材)
(トップ画像=高い走破性を持つ「ハイドロマチック・モア」)
『林政ニュース』編集部
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