2030年までに国産材比率30%へ、住宅・非住宅を問わず活用
飛驒産業は、地場産のブナを有効活用して曲木椅子などを製作する会社として1920年に創業した。発足当時は、原材料を100%国産材に頼っていたが、国産広葉樹資源の枯渇を背景に1980年頃から外材への転換を進め、2002年まではほぼ外材で家具をつくっていた。
その後、2005年にイタリアのデザイナーとの協働で世界初の圧縮スギを用いた家具シリーズ「HIDA」を発売。これを皮切りに国産材家具の取り扱いを増やし始め、現在はナラやクリ、ブナなどを使った製品群を展開している。
同社の昨年(2022年)の売上高は約56億円。その約8割は消費者向けの「ホームユース」部門、残り約2割は公共物件や非住宅向けの「コントラクト」部門という内訳になっている。
年間の木材使用量は約4,5000m3で、このうち約14%が国産材。国産材は主に「コントラクト」部門で使用されており、直近では、聖マリアンナ医科大学病院(神奈川県川崎市、大坪毅人病院長)に飛騨産広葉樹を活用した家具を納品した。
同社は、2030年までに国産材使用率を30%に引き上げる目標を設定しており、消費者向けのキャンペーンなども展開しながら取り組みを強化している。
『林政ニュース』編集部
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