(後編)林業・木材産業の“下支え役”が展望する未来【遠藤日雄のルポ&対論】

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(後編)林業・木材産業の“下支え役”が展望する未来【遠藤日雄のルポ&対論】

前編からつづく)林業・木材産業の“下支え役”として債務保証業務を行っている(独)農林漁業信用基金(東京都港区、牧元幸司理事長、以下「信用基金」と略)の吉村洋・総括理事(注)は、銀行など金融機関がカーボンニュートラルなどへの対応を強化していることを踏まえ、「大きなビジネスチャンスが来ている」との見方を示した。では、具体的にどのようなチャンス=商機が訪れているのか。それを確実に捉え、林業・木材産業の成長につなげていくためにはどうすればいいのか。遠藤日雄・NPO法人活木(いきいき)森ネットワーク理事長との「対論」を通じて、今後の進路が示されていく。
(注)吉村氏は10月1日付けで北海道森林管理局長に異動しましたが*1、この「ルポ&対論」は異動前の信用基金在職中に行いました。

金融関係中央7団体などに林業・木材産業の可能性を伝える

遠藤理事長

銀行などの金融機関が林業・木材産業への関心を高めていることは追い風であり、朗報と言っていいだろう。これを融資実績の拡大など具体的な成果につなげるためにはどうすればいいか。

吉村理事

私共を含めた関係者に求められているのは、林業・木材産業を正しく営んでいけば環境・気候問題に貢献できるし、今後の成長も期待できる産業であることを積極的に、かつ説得力を持ってアピールしていくことだ。
銀行などの金融機関も、そのような産業を支援しているかどうかで、社会的な評価が変わる時代になっている。金融機関にとって、林業・木材産業を支援することを通じてカーボンニュートラルにこれだけ貢献できていると明確に示せることは大きい。
そこで...

遠藤日雄(えんどう・くさお)

NPO法人活木活木(いきいき)森ネットワーク理事長 1949(昭和24)年7月4日、北海道函館市生まれ。 九州大学大学院農学研究科博士課程修了。農学博士(九州大学)。専門は森林政策学。 農林水産省森林総合研究所東北支所・経営研究室長、同森林総合研究所(筑波研究学園都市)経営組織研究室長、(独)森林総合研究所・林業経営/政策研究領域チーム長、鹿児島大学教授を経て現在に至る。 2006年3月から隔週刊『林政ニュース』(日本林業調査会(J-FIC)発行)で「遠藤日雄のルポ&対論」を一度も休まず連載中。 『「第3次ウッドショック」は何をもたらしたのか』(全国林業改良普及協会発行)、『木づかい新時代』(日本林業調査会(J-FIC)発行)など著書多数。

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